ヤングケアラー・シンポジウム参加しました!(報告書要約)

ヘレンさんと筆者
ヘレンさんと筆者

 ヤングケアラーとは、日本では、主に介護を担っている10代20代の若い世代の人のことをいいます。「シングル介護」という言葉がやっと世の中に浸透してきましたが、現実にはさらに、働く親に代わって孫の世代が高齢者のケアをするという、深刻な事態も発生しています。

 

  そうしたなか、当会最年少の20代、県北在住のMさんが、今年2月23日に東京の成蹊大学にて開催された、「介護を担う10代・20代の子どもたち」というシンポジウムに参加しました。その報告書を少し要約してご紹介します。

 

 

 

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 このシンポに参加した理由は、自分と同じ世代の境遇であることと、外国での情勢について話を聞くことができるから。もともと外国の福祉にも関心があり、これは良いチャンスだと思った。

 

 イギリスのヤングケアラーは、日本と違い10代20代の若い子が介護をしているというのではなく、「身体的な病気、障害、薬物濫用などを抱える家族のケアマネージャーや精神的なサポートをしている、18歳未満の子どもや若者」を指す。日本ではぼちぼち「ケアラー」という言葉が出回り始めたところのようだが、私も「長崎シングル介護を考える会」に参加するまではその言葉すら知らなかった。

 

 シンポジウムでは、まず成蹊大学の澁谷智子先生が、イギリスにおけるヤングケアラーの研究と、支援団体を紹介された。

 

 次に、イギリスの子ども協会包摂プログラム副委員長のヘレン・リードビターさんによる講演。イギリスのヤングケアラーの分類やケアする対象、またケアにおける責任などを説明された。子どもであるのにかかわらず重い責任を負わされるのは、その子にとっては感情や身体の安定、学力達成や人生の機会を脅かされ、弱い立場に置かれることになる。しかし、彼ら彼女らはなかなか表に出てこない。従って支援する側からヤングケアラーを見つけ出し、そのサポートを様々に行っている。例えばフェスティバルの開催や包摂プログラムというヤングケアラーとその家族のためのサービスだ。さらに今後に向けては「子ども仮定法」などを改正し、また学びを国際的に共有することで、各国のヤングケアラーの共通したテーマについて取り組んでいくことが必要であるということだった。

 

 この集会に参加してヤングケアラーの抱える課題を知ったが、今後はもう少し異なる世代のケアラーが抱える問題や、自分と同じ20代後半のケアラーがどのように過ごしているかも知りたい。

 

 日本においても課題は山積みだが、これからの活動でケアラーが住み良い環境の国になれるように望む。介護保険や医療保険の適応、世間の認知度があるかないかでも政府に届く術は変わること、資金問題、世間の理解度等、様々な問題が溢れているこの世の中だが、お互いがお互いのことを理解し合い、協力し尊重して共に生きていく気持ちが大切ではないかと思った。

 

 私は現役ケアラーとして、祖母の介護生活を変わりなく送ることが今の一番の仕事だ! この経験を活かして、今の自分にできる活動を行っていきたいと思う。

 

 長崎から東京に毎度毎度行くのも大変だ。地方の人間がもっとネットワークできる環境も欲しいものだ。

 

 

 

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(M・Iさんからのメッセージ)

 

 皆さん、こんにちは!私は長崎の県北在住のM.Iと申します。28歳の現役ケアラーです。

 

 簡単に自己紹介致します。現在ケアラーと仕事(パート)の両立を行っております。最大の息抜きといいますか、エネルギー補給方法は大好きなアルフィーのコンサートに行くことです♪

 

 20代30代の若い方は自分の子供の育児を行うことについては理解されますが、なかなか親や祖父母の介護や世話をすることにはまだ理解されにくい現状があると思います。

 

そんな若くして介護や家族の世話を担う“ヤングケアラー”の方々がいましたら、一緒に悩みや抱えている問題を共有しませんか!?

 

年齢問わず、10代の方々も様々な年代の方々も興味を抱いていただけたら幸いかと思います。よろしくお願いします!

 

 

 

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(この報告書を読んでの感想)

 

 M・Iさんは、ヤングケアラーとしてこの集会で得たものを率直に伝えてくれて、こちらも知らなかったことばかりで非常に勉強になりました! こうしてみんなで情報や考えをシェアし合い、彼女が書いてくれたように、共に生きていく気持ちを持ちあうことで、より、ケアラーが住み良い環境をつくっていければと、ヤングではないけどケアラーの私も強く思います! (R・M)