「遠距離介護」

 先日、NHKの番組で「遠距離介護」の特集がありました。

 

 地元(親元)を離れた進学や就職そして結婚が増える中、こういった介護のスタイルも決してめずらしくありませんし、我々のシングル介護同様むしろ今後増えるのではないかと思います。

 

 親がいざ介護が必要になったからといっても、すぐに今の生活を変えて親元に戻ることができない「子どもの事情」がありますし、そこには地元(田舎)に戻っても今のような仕事につけないとか我が子の教育問題とか、はたまた自分が建てたマイホームはどうなるのか・・・とか、抱える事情や問題は様々です。

 

 そこで結局は、遠距離の『通い』での介護を強いられるのでしょう。交通費などの出費やそのための休暇取得など苦悩されることも多いそうです。もしくは、親の近くにいる他のきょうだいやその配偶者に頼らざるを得ないような流れになる・・・

 

 親元や実家のある地元を離れることは、このご時世もうある意味仕方ないのかな~と、思います。生活のために、仕事のために、進学のために、そこにとどまることのできない事情も時にあるでしょう。もちろんその逆で、あえていろいろな希望を諦めて地元に残るケースもあるし、戻ってくるケースも然り・・・

 

 今回の番組を観て一番感じたのは、近くでも遠くでもどこに住んでいようが、自分の親を想う気持ちがなにより大事で、そこが共通していればきょうだい同士でもさらにお互いを思いやることに繋がるのではないかということです。

 

 きょうだいではなくても、例えば親がお世話になっているケアマネさんやヘルパーさんにしろ、ホームや病院の職員さんにしろ、その人(親)の介護のことを一緒に考えたり、悩んだり、検討して決めたり、介護って実質的に手を出している人物だけの問題ではないし、特定の人だけが抱えることでもないのではないでしょうか。

 

 どこにいたって介護に参加することはできるし、その方法がお世話の手をかけることでも、経済的なことでも、物質的なことでもそれぞれの関わり方がある。

 

 介護のパートナーがお互いにそれぞれを尊重しあって、労って、できないことをできないと素直に言えたり、時には他人に依頼したり・・・自然にできるような。

 

 必ずしも、誰もが遠距離介護をできるわけではないのです。

日本という国が、そうした生活スタイルに変わってきているのです。「家族介護」への根強い価値観とか、地元にいないと使いこなせないような介護サービスの在り方こそ、早く見直されるべきではないでしょうか。

 

 

・・・まぁ、とは言いつつも、当会は親元に暮らすケアラーが多いのですけども(笑)

 ただ、だからと言って、親元に暮らし介護している自分たちが誰より偉いとも思ってないってことです。そりゃね・・・何かとストレスも溜まりますので、時に(たびたび?)愚痴っぽくもなりますけども・・・。そこだけを追求すると、それはそれでなんだかナンセンス~

 

 「たまたま家族の中で、今こういうポジションにある・・・だけ!」と、言いきかせながら(笑)各々がんばっております。

 

・・・あしからず。