ケアラー支援フォーラム2019開催!

 

 

ケアラー支援フォーラム2019が開催されました。

 

以下、参加された会員のMさんのご報告です。

(Mさん、ありがとうございます。)

 

 

 

会員Mさんより参加報告:

12月7日(土)、LMJ東京研修センター(東京・水道橋)において、「ケアラー支援フォーラム2019 『いよいよ始まる!! ケアラー支援条例』」集会が開催されました。


 当日は二部構成で、一部シンポジウムでは、埼玉県の吉良英敏さん(県議)、
また北海道夕張郡栗山町の吉田義人さん(栗山町ケアラー支援推進協議会条例策定委員)が、それぞれの地域でのケアラー支援条例の内容と制定に向けての推進状況を報告くださいました。


 埼玉県では高齢化が24.8%にのぼり、後期高齢者の伸び率は日本一。また吉良議員が関わった方々や、障がい児のパパママ集会での「助けて!」の声に、ぜひこの条例をつくり県民のニーズに応えたいと活動しているとの事です。
 

また栗山町では、1988年から福祉のまちづくりという基本姿勢のもと様々な活動を行ってきましたが、こちらも高齢化率39%、町民の介護に対する不安は6割にのぼっており、社協などの努力も限界で、行政が動かねばということで条例へのチャレンジが始まったそうです。
 なかでも吉田さんが言われた、「条例は5~10年後の先行投資」という言葉は、非常に重要だと思いました。つまり、このまま手をこまねいていれば、数年先にはもっと人的・経済的に負荷が大きくなるのは明白であり、将来を見据えた動きが大切だということです。
 

それぞれの条例(案)についての詳細は別の機会に譲りますが、いずれにしても全国初であり、この先行条例によって、ケアラー支援整備が、全国の行政そして国に影響を与えるでしょう。各自治体も条例ができれば、確たる施策が可能になり予算化もしやすくなります。このため注目度も高く、都内をはじめ各地の議員が多くこの集会に顔を見せていました。
 

 

二部ではワークショップ形式で、それぞれ班ごとに分かれ、ケアラー支援条例にあたり感想や意見、質問を出し合いました。そこでは条例における「ケアラー」の定義や目的について様々な考えが出されました。なかでもやはり、ケアラーの体験を活かしてほしい、またケアラーの認知度(介護している自身がケアラーだと気付いてないこともある)を高め顕在化させる、さらには「介護は家族がしなければ」といったような「日本型福祉社会の転換」まで意見として出されました。
 

私の正直な感想としては、「やっとここまで、でも、遂にここまで」というものです。これまで介護による虐待や殺人、心中等様々な悲惨な事件が次々に起こり、もう民間やNPOだけでは到底追いつかないほどの状況なのに、介護者は行政の支援外で、周囲からも「家族だから親をみて当然」「娘さん息子さんがいてよかったね」と、口を封じられジタバタし一人で悪戦苦闘を強いられる、そんな不条理がやっと認められ、これからはケアラーとして支援を受けつつ、一人の人間としてきちんと自分の人生を生きられるようになるという、その大きなステップが、条例というかたちで、目の前にやっと見えてきました。
 

このケアラー支援条例が制定され、そして長崎県でも同様の動きがはじまれば、ずいぶん私たちシングル介護者の状況も変わってくるだろうと、期待は大きくなるばかりです。

 


追記:ちなみに、小平市のさとう悦子市議と、たまたま偶然、帰り道で一緒になりいろいろ話していたら、なんと長崎出身の方で、二人ともビックリでした!