リーダー研修会報告!

 

*研修に参加された会員のMさんからご報告です。

(Mさん、お疲れ様でした!)

 

 

 

全国介護者支援団体連合会主催

「男性介護者と支援者その現状と課題

講師:津止正敏さん(立命館大学産業社会学部教授)

202224 1930より オンライン開催

 

 男性介護者研究の第一人者である津止さんは、長らく京都の社会福祉協議会に勤め、その後研究職に転じた方です。早い時期から家族介護者なかでも男性介護者について支援や研究を行い、2009年に「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」を組織されました。

 同ネットの具体的な活動としては、介護体験記づくりや介護の語り部活動、意見表明、そしてネットワークを広げる活動が続けられ、今では全国170か所に「ケアメン・コミュニティ」があるとのことです。

 

 

 男性介護者の特徴として、①男性が介護をしているというだけで賞賛され、弱音や本音が言いにくくなる。②女性介護者に囲まれてつい恰好の良いところや立派にしていることを誇張してしまう傾向がある、③多くは女性介護者の多弁に圧倒され、聞き役になってしまうことが挙げられます。また、男性介護者は熱心で献身的でありながら、同時に、多発する介護事件の加害者に多くなっているというイメージがあります。

 こうした男性介護者のケアの規範として、「家族主義」(世帯がそのメンバーの福祉に主要な責任を負うべきとするシステム)と「有害な男らしさ」があり、このことが男性介護者を苦しめています。これに対し、津止さんたちは、「ケアする男らしさ」という言葉を戦略的に使い、「これからのイケてる男はケアする男なのだ」というメッセージを発信しています。さらに男性介護者の支援については、頑固なオヤジ(男性介護者)の心をつかむには、とにかくじっくり徹底的につきあって、息長い支援をしていくことが大切とのこと。そしてさらに、「介

護のある暮らし」が社会の標準となるような新しい社会の実現のため活動をしていくということでした。

 

 

 講演を聞いて、私は「介護」という人間の基本的な活動の一つが、これからの社会を大きく変えていく鍵になるものだと確信しました。女性・男性といったジェンダー(性役割)の問題と、社会と家族・個人の役割の問題は、この社会のありようの根本に関わります。そして、男性であれ女性であれ、また子であれ夫婦であれ、介護する人される人どちらも自分の望むかたちでの人生・生活を送ることができる「人間らしい」社会にするためには、当事者の視点を基盤とした社会支援の充実や意識の変革がもっともっと必要だと、あらためて強く感じています。